IT・オペレーション
SCM
supply chain management
サプライチェーン・マネジメント
供給業者から最終消費者までの業界の流れを統合的に見直し、
プロセス全体の効率化と最適化を実現するための経営管理手法のことです。
開発、調達、製造、発送、販売といった各プロセスでの在庫量や滞留時間などを削減することで、
顧客には最短かつタイムリーに製品を供給し、
また業界全体としてはリードタイムの縮小、在庫の縮小、設備の稼働率向上などによる
コスト削減、経営の効率化を目指します。
具体的には小売店でのPOS入力や、営業担当者の報告などの販売、受注、実績から
需要予測をして発注、生産、出荷、物流、販売などの計画を最適化します。
その内容に従って生産、購買、物流を実施するのです。
例えば、米国ウォルマートではSCMを進化させ、
供給業者も巻き込んで商品計画から売上予測、商品補充の業務プロセスをひとまとめにしたCPFR
collaborative planning forecasting
replenishment
と呼ばれるビジネスモデルを構築しています。
一般に大企業ほどSCM導入が進んでいます。
システム導入にあたっては投資や現場で運用の工数など経営資源を必要とするため、
大企業に比べて中小企業での導入は少なく、従業員5000人以上の大企業ではSCMの導入は5割を越えていますが、
1000人未満の中小企業での導入は2割を切っているという研究結果もあるようです。
また、SCMの進化は物流業界に変化をもたらしています。
より短いリードタイムやきめ細かい要求に応えるために、
大規模な物流センターの拡充、陸海空の複合輸送システムの構築、物流網システムの効率化などが進んでいます。
最近ではSCM構築のためのパッケージソフトも多くあり、SAPやi2テクノロジー等が有名ですが、これらの情報システムそのものをSCMと呼ぶ場合もあります。